国語史資料の連関

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2002-07-29

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其余の音の如きも。亦これに同じ。また此間の語ひとり漢字の音の転ぜしのみにもあらず。韓地の方言の転ぜしも少なからず。たとへば太古の時よりいひ嗣て。海を呼びては。アマといひしを。また韓地の方言によりて。ワタともいひけり。日本紀の釈訓に。海を読てホタイといふ事の見えし即此なり。猶今も朝鮮東南の俗。海を呼てパタイといふなり。今によりて古を推すに。日本紀釈訓にホタイと見えしは。或はポタイ或はまた禾タイの字訛りて。ホタイとなりしも知るべからず。ポといひパといふ音の如きは。此国になき所なりければ。其音転じてワタとならざる事を得ず。是れみな其音を転じて。呼びしにはあらねど。其音の自ら転じたりけるなり。