国語史資料の連関

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2002-07-16

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これらの事ども。並に我書に註せし所に見えたり。たとへば日をヒといひ。火をホといふが如きは。並に其音単出して言となりしなり。昼をヒルといふは。ヒといふは日也。ルといふは詞助也。星をホシといふは。ホといふは火也。シといふは詞助也。昼とはまづヒといふ言葉あるによりて。また昼といふことばの出来し也。ヒといひヒルといふは。ルといふ詞助によりて転じたるなり。星とはまづ火といふ言葉あるによりて。また星といふ言葉の出来しなり。ホといひホシといふは。シといふ詞助によりて。転じたるなり。また光をヒカリといふは。ヒは日也。力は赤なり。古語には赤色を力といひしといふなり。リは詞助なり。ヒカリとは。日の赤きによりていひし言也。ヒといひ力といふ二つの音の合ひし。余音の詞助とよりて。ヒカリといふ言になりし也。幽をホノカといふは。ホは火也。ノは則中の詞助にて。やすめ字などいふもの也。力は赤なり。ホノカとは。火の赤きによりていひし言也。ホといひ力といふ二つの言をあはせいふ間を。ノといふ詞をもて助けて。ホノカといふことばとはなりし也。又古語に赤を力といひしも。其音の単出して言となりしなり。又その力といふ言葉をいひ出さんとして。アといひし如きを。発語の詞とも。上の詞助などもいふ也。それをまたアカシとも。アカキなどもいふ。シといひキといふは。アカといふ言の余音にて。則これ下の詞助也。凡これらの類をもて。上中下の詞助といふ事をも。二合三合などいふ事をも。推ししるぺき事也。