国語史資料の連関

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2002-07-15

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また言《コト》といひ詞《コトバ》といふ義をも。よくわきまふべき事なり。音発為言。言之成文為詞とも見えたり。先達の説に。発語の詞なりといひ。詞助也(助詞也)などいひし。皆これ詞也。太古の言の如きは。其音単出して。即ち言となりし多かり。或は之を云はんとして。まづ其声の発して。此語を起しぬるあり。之を発語の詞といひ。また上の詞助なりなどいひけり。或は其言の余音ある。之を詞助とも。助詞ともいひ。また其初に彼言あるによりて。此言も出来しが如き。其詞を得て。彼言の転ぜしあるも。すくなからず。或は彼と此との言を合せて。其言となれるには。彼此二つの言の。相合ふ所を助けし詞あるを。中の詞助とも。又やすめ字なども云ひし也。すべて是等の事によりて。自《おのづ》から其言も長く。其語も多くなりしと見えけり。


阪倉篤義語構成の研究』p.45