国語史資料の連関

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2002-07-13

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我国古今の言。其声音の転ぜし殊に多かり。その変を尽さんには。悉く挙べからず。其大略の如きは。五方の音同じからざるによりて。転ぜしと見えしあり。五音の文相雑れるによりて。轉ぜしと見えしあり。凡五方の音。軽あり重あり。清あり濁あり。清濁軽重相半せるあり。其俗の緩なる急なるによりて。其呼ぶ事に緩なるあり。急なるあり。其清めるは上り。濁れるは下り。軽きは浮み。重きは沈む。緩なるが変ぜしは。呼ぶ事開き。急なるが変ぜしは。呼ぶ事合ふ。また唇舌牙歯喉の音の如き。かれをばよ<いひ得ぬれど。こればよくいひ得ざるあり。これをぱよくいひ得ぬれど。かれをばよくいひ得ざるあり。その呼得ざる音の如きは。転じて他音にゆかざる事を得ず。是等の類は。其方俗によりて其音の転ずるなり。或は二合の音或は三合の音の如きは。彼是の音相合ふによりて。転じで他音となれるあり。凡これらの類は並にこれ其声音の自ら転ぜし也。また此音を転じて彼音となり。彼詞を転じて此詞となりしがごときも。また少からず。是等の事。極めていひ難かり。唯爰には其大略を挙しなり。