国語史資料の連関

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2002-07-08

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されば我国太古の初より。今世に至るまで。五方雅俗の言。風と共に移り。俗と共に易れるのみにあらず。海外諸国の方言の如きも。また相混じぬと見えたり。凡は人の言に於ける。その云ふ所として。其義あらずといふものなし。また其義を取れる所の如きも。世の俗尚のある所に随ひて。其趣亦各同じからず。今の言葉の義を取れる例を推して。古の言葉を解しなむ。実に其義に合ぬべしとは思はれず。上古おのづから上古の俗あり。中古おのづから中古の俗あり。近古おのづから近古の俗あり。これよりして。後世を遞《たがひ》にしておの/\其世の俗ありて。すべて其尚《たと》ぶ所同じからず。されば古今の言に相通じなむ。まづ其世を論ずべき事也とはいふなり。