国語史資料の連関

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1976-01-20

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 上方コメディが人気を博すと、余剰効果としての大阪弁(いや関西弁といった方が妥当かも知れない)が全国に知れわたるようになった。

 関東の人には大阪漫才落語は、早口で解りにくく、ちっとも面白いものではなかった。大阪弁言葉や持味が理解できなかったからである。ところがこれらのコメディ、上方演芸漫才松竹新喜劇など)が高視聴率で全国に広がると、解りにくいはずの大阪弁が、逆にドラマの中で特異なムード作りの役割を果たし、遂にはドラマの主役すら演じるようになった。(中略)「根性もの」といわれる一連の上方ドラマ「横堀川(NHK)、船場、土性っ骨、堂島(KTV)、道頓堀、ぼてじゃこ物語、細うで繁昌記(YTV)など」を成功に導いた要因ともなった。

鈴木俊郎「"通"の退場と"大衆"の氾濫」『上方芸能』44 p.49 1976.1