2012-04-07 2012-04-07 ■ [方言意識史]その東京弁はわたくしの耳に快適に響いた(和辻哲郎「自叙伝の試み」) 原忠義は一高在学中にチブスか何かで亡くなったと記憶しているが、非常に感じのいい男で、特にその東京弁はわたくしの耳に快適に響いた。しかしそれを聞いている間に、ヒの音をシと発音していると気づいたことはない。この発音を特に立って聞えるようにやっていたのは椎名基であった。岩下や浅村や香川などの東京弁は、いかにも淡々としていて、特に耳立つところはなかった。和辻哲郎『自叙伝の試み』「一高生活の思い出」 ツイートする