国語史資料の連関

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2011-02-18

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 次に、もっと不思議、いや私が、ゾツとするくらい嫌いなのは「お疲れさま」という挨拶だ。

 これは芝居が終って(中略)別れる時に私が「サヨナラ」とか「お休み」とかいうと、新劇人は必ず「お疲れさま」という。何でも「様」さえつければ敬意を表せると考えた愚かな表現の、この「お疲れさま」には、ひどく封建的なものを感じるのである。(中略)

 私は歌舞伎菊五郎劇団や吉右衛門劇団にも脚本を提供したことがあるので、そこで、これと同じ言葉を聞いたこともあるが、その時は、何ら反撥は感じなかった。

 その場の雰囲気にぴったりとしたものがあった。なぜなら、そこには私の想像してる江戸時代があったからだ。

 彼らが、インギンというより、やや卑屈に小腰をかがめて「お疲れさま」というと、私はチョン髷を結ってる作者になったような錯覚に陥った。