国語史資料の連関

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2010-03-28

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桶 をけ 和名に乎計。行阿假名邉に桶とのみいふ時の假名ハおけ小桶といふ時ハこをけなりといへり。行阿の意を推量するにをハ軽くかハ重しと分ちて平聲にあたりてすゑ去聲にまはしていふ 此ニッハ重く上聲に直く上るを軽しとして假名を定たるか。桶とのみいへば去聲に云ならひ水桶ハ上聲にいへはさて假名を此《カク》ハ分らるゝ也。青の假名大かたハを丶用、蔓菁ハあおな陟釐ハあおのりとおの下に出さる。青葉ハ見えねど是もあおばなるべき理也。かやうに音便假名を分たば四十七字に各平上去の三聲あれば百四十一字有べし。若平聲去聲とをひとつにあはすとも九十四字あるべし。若いゐをおえゑ これのみに軽重をわかつとも各三字有て合せて十二字有べき理也。假令いに付ていはゞ色ハ平聲色好ハ上聲色々ハ去聲なり。ゑに付ていはゞ越前ハ平聲越後ハ上聲越中去聲也。字ごとにかくのごとくなるををれのみいひていゐえゑを何ぞいはぎる。文字ごとに聲によりて書分るや行阿の誤りの根となりて今にぬけす。所謂一盲の衆盲をみちびく也。