国語史資料の連関

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2009-04-17

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例へば「云々です」「云々であります」「云々でござります」のたぐひは、すべて私交的の敬語に傾いて、之を其のまま文章にすれば、何うも敬語に過ぎたやうに感ずる、それかと言ツて、「云々だ」と言ひ放てば、独語的、すなわち横座弁慶の独りで、気炎を吐く格に聞えて、おもしろくない、(中略)多分紅葉氏あたりが流行りはじめであったか、「云々である」といふ辞法を工夫する人がアツて、目今広く行はれるやうになツた、これが畢竟「云々でござります」と「云々だ」との中間を行くものに外ならぬ、併しこれとてもまだ十分独坐放言の口気を脱したものとは言はれぬ、外になければ是非もないこと、工風はまだまだ大に凝らす必要があらう、

森岡健二「言文一致体成立試論」