国語史資料の連関

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2007-11-22

[][]「よみにていふべし」(かたこと)21 「よみにていふべし」(かたこと)21 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「よみにていふべし」(かたこと)21 - 国語史資料の連関 「よみにていふべし」(かたこと)21 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

一 そのゝちは久しう御めにかゝりまいらせぬといふべきを。其以後《そのいこ》は御意《ぎよい》を得ず。中絶《ちうぜつ》いたし。疎遠《そえん》の至《いた》り無音千万本意を背《そむ》き所存《しよぞん》の外《ほか》にて侍るなどゝいふ挨拶あいさつ》は。悉皆《しつかい》文章《ぶんしやう》を聞《きゝ》侍るやうにて。いと冷《すさま》じう。若《わか》き人などにはとりわきよろしからず。乍去《さりながら》かうやうのこと葉は。その云人がらによるぺし。世に物しりといはるゝ人か。さらずは出家《しゆつけ》かくすしなどこそ似《に》つかはしかるべけれと云り

児《ちこ》若衆《わかしう》女房《にようはう》なとの言葉は。あるがなかにもやはらかに声《こゑ》ひきく。又あへかにあらまほしき事と云り。かど/\しう冷《すさま》じきこと葉は似合《にあは》しからずや。文字《もんじ》も声をやはらげ。よみにていふべしとなり。しかはあれど。源氏物語《けんじものがたり》に云《いひ》しやうに。文《ふみ》をかけどおほとかにことえりし。纔《わづ》かなる声《こえ》きくばかりいひよれど。息《いき》の下《した》に引《ひき》いれ。ことずくなゝるがとやうに。しみたれ過《すご》し。あまりなさけに引《ひき》こめられたるも。又うるさかるべしとかや