国語史資料の連関

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2007-09-26

古今集遠鏡例言 24 古今集遠鏡例言 24 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 古今集遠鏡例言 24 - 国語史資料の連関 古今集遠鏡例言 24 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

○此ふみの書るやう、譯語《ウツシコトバ》のかぎりは、片假字をもちふ、假字づかひをも正さず、便リよきにまかせたり、譯《ウツシ》のかたはらに、をり/\平假字して、ちひさく書ることあるは、其歌の中の詞なるを、こゝは此詞にあたれりといふことを、猶たしかにしめせる也、数のもじは、其句としめしたる也、又かたへに長くも短くも、筋を引たるは、歌にはなき詞なるを、そへていへる所のしるしなり、そも/\さしも多く詞をそへたるゆゑは、すべて歌は、五もじ七もじ、みそひともじと、かぎりのあれば、今も昔も、思ふにはまかせず、いふべき詞の、心にのこれるもおほければ、そをさぐりえて、おぎなふべく、又さらにそへて、たすけもすべく、又うひまなびのともがらなどのために、そのおもむきを、たしかにもせむとて也、(一)(二)(三)、あるは(上)などしるせるは、枕詞序など、譯をはぶけるところをしめせる也、但し「ひさかた」「あしひき」など、人のよく枕詞と知たるは、此しるしをはぶけり、一二三は、句のついで、上は上の句也、