国語史資料の連関

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2007-09-06

古今集遠鏡例言 4 古今集遠鏡例言 4 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 古今集遠鏡例言 4 - 国語史資料の連関 古今集遠鏡例言 4 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

○俗言《サトビゴト》にも、しな/゛\のある中に、あまりいやしき、又たはれすぎたる、又時々のいまめきことばなどは、はぶくベし、又うるはしくもてつけていふと、うちとけたるとのたがひあるを、歌はことに思ふ情《ココロ》のあるやうのまゝに、ながめ出たる物なれば、そのうちとけたる詞して、譯《ウツ》すべき也、うちとけたるば、心のまゝにいひ出たる物にて、みやびごとのいきほひに、いますこしよくあたればぞかし、又男のより、をうなの詞は、ことにうちとけたることの多くて、心に思ふすぢの、ふとあらはなるものなれば、歌のいきほひに、よくかなへることおほかれば、をうなめきたるをも、つかふべきなり、又いはゆるかたことをも用ふべし、たとへばおのがことを、うるはしくはわたくしといふを、はぶきてつねに、ワタシともワシともいひ、ワシハといふべきを、ワシャ、それはをソレャ、すればをスレャといふたぐひ、又そのやうなこのやうなを、ソンナコンナといひ、ならばたらばを、ばをはぶきて、ナラタラ、さうしてをソシテ、よからうをヨカロ、とやうにいふたぐひ、ことにうちとけたることなるを、これはたいきほひにしたがひては、中々にうるはしくいふよりは、ちかくあたりて聞ゆるふしおほければなり、