2007-05-11 2007-05-11 ■ [位相]「文字はたとひ漢字をかるとも」「事は鄙語の上に及ぶとも」(『去来抄』) 『去来抄』 先師曰。世上のはいかいの文章を見るに、或は漢文を仮名に和らげ、或は和歌の文章に漢字を入れ、詞あしく賎しく云なし、或は人情を云とても、今日のさわがしきくまぐまを探りもとめ、西鶴が浅ましく下れる姿あり。我徒の文章は、たしかに作意をたてて、文字はたとひ漢字をかるとも、なだらかに云つづけ、事は鄙語の上に及ぶとも、懐しく云とるべしと也。 佐藤喜代治「文章観の変遷」(『現代作文講座・文章活動の歩み』)ツイートする