国語史資料の連関

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2006-04-08

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(日本少年文庫15)国土社 昭和57.4.25p188

 江戸時代にも、そういう例がありました。鹿児島藩(かごしまはん)と、青森藩(あおもりはん)の武士たちが、江戸城(..じょう)で、話しあいをするときは、江戸弁(..べん)と、青森弁(..べん)を話せる通訳(つうやく)がひとり、それに、江戸弁(..べん)と鹿児島弁(...べん)を話せる通訳(つうやく)がひとり、このようにふたりの通訳(つうやく)があいだに立って話をすすめないと、むずかしい話、細かい話はできなかったという、いい伝えがあります。

 そこで、江戸時代には、九州の人と、遠くの人が江戸で話をする場合には、両ほうが、共通にうたわれていた謡(うたい)(謡曲(ようきょく))のことばを使って話しあったということです。