2003-03-07
■ [学史]大学文学部の始め(明治事物起原 第七学術)
明治十年四月、綜合の東京大学開設せらるると同時に、法学部および理学部とともに、新たに文学部を設置す。法理の二部が、ともに旧開成学校の二部を継承せるに似ず、文学部だけは、全然新設なるを異とす。当時は、
第一 史学哲学および政治学科なるを、十二年九月、史学を除き、理財学を入る。従来経済学と称せるを、このとき始めて理財学と改め、二十六年再び経済学と復古す。
第二 和漢文学科
十四年九月、右の組織を改めて、第一哲学科、第二政治学および理財学科、第三和漢文学科となし、このとき、英語の外に、爾今独逸語を兼修すべきことに定まる。独逸学術東漸の証なり。
十八年十二月、前記の第二を法学部に移したれば、文学部は、今後、哲学科・和文学科・漢文学科の三科となれり。
文科大学 石川貞直
ふみわけていそしみ学べこれよりは文の林の奥なかりけり