2002-05-14
■ [和訓栞]和訓栞大綱(122)
○唐音をしる二首の歌
一は五に 四は二にかよひ 五は三に 二三の時は 本座かへしそ
引ははね はぬるははぬる 入聲の 足をきりすて 三字中略
南無阿彌陀佛を唐音にて[のむをみとふ]と唱へり [の][を][と]の三音は[一は五に]と歌によめるものにして[なにねねの][あいうえを][たちつてと]の第一音轉して第五音となる也 [む][み][ふ]の三音は[二三の時ハ本座かへしそ]とよめるものにして 佛を[ふ]と唱ふるハ[入聲の足をきりすて]とよめる是也 [四ハ二にかよふ]は明を[みん]と呼か如し [五ハ三にかよふ]ハ村を[す]と注するか如し [引ハはね]ハ東を[つん]とよむの類 [はぬるハはぬる]ハ珍を[ちん]とよむの類 三字中略ハ玉を[きく]と呼の類なりといへり
有坂秀世「唐音を辨ずる詞と韻目を諳誦する詞」『国語音韻史の研究』(昭和32年増補新版三省堂)もと「国語研究」昭和15年。*