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和訓栞大綱(49)

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田舎詞はだみて聞うるを俗になまるといへり 拾遺集

   あつまにて養はれたる人の子は舌たみてこそものはいひけれ

と見えたり 萬葉集古今集にも東歌の部を立たり その詞音韻相通ならてハ解得かたし 又玉葉抄に

   鶯はゐなかの巣にてそだてともだみたる音をは鳴ぬ也けり

と見えたれど關東の鶯は其音實にだみたり されば世に大和の鶯山の産をもて其音を賞せり 又よのつね月日星と鳴鴬も神路の山にては「ひつきほし」となけるといひ又西土の鶯は大に異れりとそいふなる これは諸鳥の音に至りても風土によりて變れるをや


古事類苑』人部十一「言語