2002-02-08
■ [和訓栞]和訓栞大綱(39)
○かなつかひを後世の事といへる説は大なる僻事也 後世に至りて其法を失ひ却て大にみたせり 五十音及いろはは所v謂かなつかひには非るにや 又古書をもて徴とするをいとひて別に一種の學を立るものあり 杜撰といふへし されは古今集の同し文字なき歌に
よのうきめみえぬやまちへいらんにはおもふひとこそほたしなりけれ
此歌を唱ふるに「え」と「へ」と同音にきこゆれと「みえぬ」は「みゆ」とはたらけは「え」なる事しるへく「やまちヘ」は方の義なれは「へ」なる事知へし 新勅撰集?にも同し文字なき歌
あふことよいまハかきりのこひなれやゆくすゑしらてむねそもえぬる
是も「ゑ」と「え」との別あり 同韻なれと同字にはあらず