国語史資料の連関

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2002-01-04

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○鄭夾〓か説に梵人長2於音1所v得從v聞入華人長2於文1所v得從v見入といへり 我邦の言詞を尚ふ西竺の音韻を尚ふか如し 音文の二に就ていハゝ凡そ人生れて言ハさるハなし 言ヘハ自ら聲音存す聲音ありて後に文字あり 文字言語の象に見ハれたる成へし よて書は言を盡さすともいへり 見聞のニツに就ていはゝ聞の義博し遠し されハ我邦神徳君徳を稱して聞といへるもの多く聡明叡智を謂て八耳といへり 聞てすなはち識さる事なきハ言語の徳也 古今集の序にも力をもいれずして天地を動かし目に見えぬ鬼神をもあはれとおもはせとかけるハあに歌詞聲音の妙をいふにあらすや よて萬葉集に部類を分てる中相聞をもて主とせり 四季の歌も相聞ならぬハ雑春雑夏なとゝいへり 但平常の言語のみにあらす 詠歌の詞に發する誠に聞をもて其用をなせは也 よて焚策にも眼根功徳少 耳根功徳多の説あり 又楞嚴経に此方眞教體ハ清浄在2音聞1と見ゆ されハ佛中観音大士を崇め 梵経如是我聞を首とせり