1910-09-21
■ 朱引(佐藤仁之助『速成応用/漢学捷径』)
第七章 朱引
古来學者の點法に「朱引」の法あり。朱墨を用ゐて、字に畫する事にて、例へば左のごとし。
一、地名 單線を字の右傍に晝す。
二、国名 雙線を字の右傍に書す。
三、人名 單線を字の中央に書す。
四、官名 單線を字の左傍に書す。
五、書名 復線を字の中央に書す。
六、年號 復線を字の左傍に書す。
此の書法を諳記するに歌あり。
右所《ミギトコロ》。中は人の名。左官。中には書の名。左には年號。
右朱引法の煩雑なるは、畢竟支那の人名は紛れ易き故に人名にのみ書するより倣ひて、我が國にて始めたるなるべし。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/868709/105