国語史資料の連関

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1695-02-05

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一、凡そ「鹿(ろく)」の字の讀(よみ)は「しか」といふ假名なれば、「麋(おほじか)」・「麞(くじか)」等は、皆「し文字」也。「路(ろ)」の字の(くん)は「ち」の假名なれば「旅(たび)路(ぢ)」・「夢(ゆめ)路(ぢ)」、皆「ち文字」也。摺(する)は「する」と書(かく)間、「藍摺(あゐずり)」・「行摺(ゆきずり)」等は、皆「す文字」也。「綱(かう)」は「つな」と書ク間、「紲(きづな)」・「纜(ともづな)」、皆「つ文字」也。又、「水」は「みつ」の假名なる間、「湖(みづうみ)」・「汞(みづかね)」等、同じく「つ文字」也。「筋(すぢ)」は「すち」の假名なる間、「線(いとすぢ)」・「脉(ちすぢ)」、同じく「ち文字」也。然らば「月」に「卯月」・「水無月」、「水」に「山水」・「河水」などゝて、一Zに書キ載(のせ)ずといふ共、是に準(なぞ)らへて知ルべし。