1187-03-04 1187-03-04 ■ 唐物語・梁鴻 むかし、梁鴻といふ人、孟光にあひ具して年比住みけり。この孟光世にたぐひなくみめわろくて、これを見る人心を惑はして騷ぐ程なりけれど、この男を又なきものに思ひて、かしづき敬ふ事思ふにも過ぎたりけり。朝な夕なにいひがいとりてけこのうつは物に盛りつゝ、眉のかみに捧げてねもごろにすゝめければ、齊眉の禮とそ今は言ひ傳へたる。 「さもあらばあれ玉の姿も何ならすふたごゝろなき妹がためには」。志だに淺からすば、玉のすがた花のかたちならすとも、誠にロ惜しからじかし。されどもみにくからぬ顏には見かへにくゝこそ【されども以下二十一字イ無】。 国文大観ツイートする