1187-03-24から1日間の記事一覧
■ 唐物語・上陽人 むかし、上陽人上陽宮に閉ぢ籠められて、多くの年月を送りけり。秋の夜春の日あけくれ、月の光、蟲の聲より外に又さし入りおとなふ人なかりけり。嵐にたぐふ紅葉の錦百囀の鶯の聲も、我がためはいと情なき心ちす。夜の雨窓を打つ音にも、愁…
■ 唐物語・上陽人 むかし、上陽人上陽宮に閉ぢ籠められて、多くの年月を送りけり。秋の夜春の日あけくれ、月の光、蟲の聲より外に又さし入りおとなふ人なかりけり。嵐にたぐふ紅葉の錦百囀の鶯の聲も、我がためはいと情なき心ちす。夜の雨窓を打つ音にも、愁…