国語史資料の連関

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2011-01-19

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  おみけ とらぶち/道行

春雨にふかき軒端をしたひくる、道はあまたのひさしさへ、すべりこけじのみし/\と、がっくりつまづくかきから家、是おみけどの、ふとした事より人々の浮名、こたつのかまへ、ゑんの下、ひさしの土もかなわねば、今宵かくごはしたれども、まだ若猫のいろざかり、にゃんのいんぐゎで、このとらに、くらひついたるいたてさよ、そなたは跡にながらへて、いか成ぶちともそうてたも、たのむとはかりいゝさして、跡は涙にこゑくもる、√おみけハきゃっとせき上て、そりやあんまりどふよくな、そもや二人りがその中は、きのふやけふの事かいな、あふくの猫の其中で、垣根外にておまゑを見染、あんなとの子とそうならば、汁かけ飯やかつをぶし、さかなのほねもくうまいと、大黒様へぐゎんかけて、鼠たつのも、わしゃ、おまへとそひたひばかり、思ひおもふた其内に、みほのかうやの物ほしで、逢ふた其夜のうれしさは、恥かしいやら、こわひやら、あまへてあ前をひっかいた、紫色のつめの跡、嘸や跡までいたかろふ、棚のさらなる焼物を、終あやまって其やうに、こすられてさむしたそのはなを、見るにつけても、わしゃかなしい、つらい中にも、おなかにやどす、三月四月ハいつの間に、生で詠めて、なめまわし、籠にうよ/\うさはらし、そのたのしみも、なきがらの、はいもときへて、此世へもまただびたいて残れとは、あんまりつれないお猫氣な、たしなましやんせと、勢をこゞめ、つめとぎ立て、ひっかいて、いがみあふたるみやと中、しらぬゑにしぞさわがしき

未刊随筆百種

附説

「きゃっと」が、英語以前からあるのも目につく。