2009-04-15 2009-04-15 ■ [文体][言文一致]談話体・演説体 今日の言文一致体の中には、談話体を用ゐるものも往々あるが、この体には、口語の各体の中の短所をのみ具へて居る様に思はるる。「あります」とか「御座ります」とか「なければなりません」とかいふ嫌なる敬語沢山の体は冗漫で柔弱で倦厭を招くことが甚だしい。此等の体も時に必要なることも有らうが、論文、叙事文に談話体を用ゐるごときことは、長所を捨てて短所を取るものといふべきである。言文一致の文体に就ては、演説体、講話体などが浅からぬ関係を有って居る様に思はるる。 「言文一致(応急の手段)」(国学院雑誌明三四・六.二〇)「談話体と演説体」 森岡健二「言文一致体成立試論」山本正秀『近代文体形成史料集成』ツイートする