国語史資料の連関

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2007-10-12

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三村竹清『本之話』

三村竹清集二』

   俚諺集覧作者

 俚諺集覧は、村田了阿の著と伝ふれど、さにはあらざるべしとの世評なりし、活版にせしもの、原本とは大に改まりゐて、原本には引用書目なども挙げあるよし、予がもてる福山の儒太田全斎手紙

甚暑の節御座候処倍御勇健被成御座珍重御義奉存候然者先達而は北条時代諺留一冊拝借永々難有仕合奉存候

 今日右御礼返上旁参上仕候処御留守に御座候間申上置候 以上

   七月二日          太田 全斎

  近藤重蔵

とあり、これを福山の浜野穆軒?君に見せしに、俚言集覧引用書目中に

北条氏直時分諺留 跋云右北条氏直朝臣ノ頃申ハヤリタル諺ノ一帖ハ元本物茂卿先生ノ父蓬庵主人自筆ノヨシニテ甚古雅ノ一冊也今不計而堀口氏率貞ノ蔵本ヲ見ルコトヲ得タリ因テコレヲ乞需メテソノ文ヲ本ノ儘ニ写シヌ云々安永癸巳首夏廿六日多賀氏常政誌之○此本近藤守重ヨリ借写ス

とあれば、俚諺集覧全斎の著なるべし。因に全斎は八郎といひしが、後には全斎を通称として届済なる由、由緒書にありと、同氏語られし。大正七年九月十日の事。