国語史資料の連関

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2007-08-10

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用の詞、はたらく詞、活語なんと、古來一つに言來れるをば、今|形状《ありかた》作用《しわざ》と、分ちて二|種《くさ》の詞とせるは、終りに附きてはたらくてにをはの、本語にてきれ居《す》わりたるもじの、第にの[い]の韻なると、第三の[う]の韻なるとの差別也、第二の韻なるは、[し][り]の二つ也、[し]は、[きら/\し][すか/\し]なんどの[し]にて其意しらる、即俗に[何々しい]と云[しい]のこころにて、其有樣を形容《かたどり》いへる詞なり、[けし]、【しずけし、はるけし】、[たし]、【うれたし、めでたし】、[めかし]、【ふるめかし、おぼめかし】、なんどの[し]も其類にて[高し][卑し][善し][惡し][悲し][樂し]のたぐひの[し]、皆同意也、[り]は[有り]也、[あ]は[あり/\]、[あざやか]、[あらはる][あきらか]の[あ]にて、物につゞく寸は省《はぶ》かれ消ゆる也、[居《をり》]は、[ゐあり]也、[聞けり][見たり]は、[聞あり]、[見てあり]也、[往けり]、[還れり]は[ゆきあり]、[かへりあり]也、かく[り]もじを終りにつくる時は、本|作用《しわざ》の詞なるも、皆其|形状《ありかた》になる也、さればこの[し][り]の二もじにてとまる詞は、すべて皆物事の形状《ありかた》なり、

(原文片仮名)


石垣謙二作用性用言反撥の法則