国語史資料の連関

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2006-04-12

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(『走れ蝸牛』二玄社 平成3.11.30発行 p276 もと全日空機内誌『翼の王国』昭和64.1-平成2.12連載のうち)

 幕末、鹿児島の人間が会津へ行ったり、会津の武士が京都へ行ったり、いわば「国際化」が活発になったが、やはり言葉では苦労したようである。ときには全く通じないので一計を案じ、謡(うたい)で応酬する場面もあったという。謡は武士のたしなみであり、おもな能狂言の筋書はみな知っているはずだから、うまく採り出せばけっこう通じたそうだ。