国語史資料の連関

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2006-04-10

[]対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

『ちくま』242号 平成3.5

堀田 明治以前の文化というもので、一番バインディングといいますか、というものは、僕もやらされて閉口しちゃったけど、謡曲だと思いますよ。つまり昔むかしは、青森の侍と薩摩の侍じゃ、全然話が通じなかったわけだからね。それで彼らは、どのことばで話したかといえば、謡曲のことばで話したわけでしょう。謡曲のことばが共通語だったわけですよ。西洋ならラテン語になるのでしょうけど。だから、謡曲というものは、日本人のバインディング・パワーとしては相当なもんだったんだろうと思います。そしてかなり高級なものでもあり、そして、幽鬼の世界というものとこの世を、形而上と形而下をつなぐ、そういうかなりなパワーを持っていましたね。霊的な力もあったし。