2005-02-15
■ [字音資料]古事類苑 文学部二 音韻
音韻の学は、其起源詳ならず、始は支那の韻書のみを用ゐしが、後には邦人にも亦之を著作するものありき、菅原是善の東宮切韻の類是なり、其後反切を検して漢音呉音を正すのみならず、年号人名をも反切に由り吉凶を論ぜり、徳川氏の時に至りては、韻学に用ゐる所は、韻鏡の一書のみにして、之を講ずるもの陸続として起り、吉凶判断の用に供すること益々甚だしかりしかば、僧文雄等痛く之を排斥し、斯書始めて専ら学問の間に使用せらるゝに至れり、而して文雄の説は、唐音を主として我邦の漢呉音を論ずるものなり、原来反切の法は頗る複雑にして知り易からず、且つ実用に供する事も極めて少かりしが、備後福山の藩士太田方、漢呉音図を著して、従来の反切法を棄却し、一に五十音図に拠りて、字音を正すことを主張せしより、大に我国人の実用に適し、古来伝はる所の韻鏡の諸註、多く廃棄せらるゝに至れり、
五十音図は、悉曇の法に拠りて組織せし所にして、母子音五十字より成れるものなり、之を以て漢字の音を正すべく、之を以て国語の解を得べし、然るに中世以降、阿行王行の於乎錯置したりしを、本居宣長出づるに及び、之を古書に徴して其誤を正しゝは、韻学に於て其功大なりと謂ふべきなり、尚ほ呉音、和音、漢音等の事は、外国語学篇に詳なり、
(元は片仮名)
※音韻論
※古代韻書
〔宇槐記抄〕*
○按ずるに、此他童蒙頌韻、三重韻等あれども、童蒙頌韻は、漢字に和訓を施したるものにて三重韻は平上去三声の文字を上中下層に列挙して、作詩に便するに止るものなれば、音韻には関係すること少し
※韻鏡
〇按ずるに韻鏡を韻鑑と呼ぶは韻鑑古義標註補遺?に此書題目原曰韻鏡終有避趙宋翼祖簡皇帝諱敬故改名韻鑒?是敬鏡同音所以避鏡爲鑑也とあるにて其由を知るべし、
又按ずるに、後文反切の条引く所の正長元年の記の趣に拠れば韻鏡の渡来は鎌倉時代より遥に以前に在りしものゝ如し、
又按ずるに、明了房信範は悉曇の名家にして淨嚴の悉曇三密鈔には所々に信範私鈔?信範鈔?を引けり其著に韻鏡秘釈?あることは開奩に見えて下に引けり又契沖の和字正濫鈔行智の悉曇字記真釈等にも其名見ゆ信範既に悉曇に明なれば兼て支那の韻学に通じたるものなるべし、
〔磨光韻鏡後篇[指要録]〕
〔磨光韻鏡口授記?〕
※反切
〔韻学津梁?〕
〔萬葉集[六雑歌]〕
〔將門記〕
〔江談抄[四]〕
〔運歩色葉集[丹]〕
〔中右記〕
〔台記〕
〔園太暦〕
〔康富記〕
〔言継卿記〕
〔塵添壒嚢鈔[二]〕
〔韻鏡開奩[一]〕
〔新増韻鏡易解大全[三]〕
〔槐記〕
〔類聚名物考姓氏八〕
〔斥非〕
※九弄
〔韻鏡開奩[六]〕
〔韻鏡開奩[六]〕
※内外転
〔新増韻鏡易解大全〕第五内転外転差別門
※開合音
〔漢呉音圖説〕
〔漢呉音図説〕第十一転従作開本
※三内音
〔明了房信範記〕
〔和字正濫鈔[一]〕
〔奈万之奈[上]〕
〔漢呉音図説〕
※四声
〔作文大体[序]〕
〔語意考〕
〔年々随筆[二]〕
〔近聞寓筆[一]〕
〔和読要領[下]〕
〔和読要領[上]〕
〔古事記[上]〕
〔袖中抄[三]〕
〔反音〕文字反
〔和字正濫鈔[五]〕
○按ズルニ、四聲ノ事國語學篇仮字遺條引ク所ノ仙源抄ニモ見エクリ、奏石スベシ、
※字音転写法
〔菅家文草[八]〕
〔漢字三音考〕
〔音韻仮字用例附説[上]〕
〔神語考[上]〕
〔和字大観鈔[下]〕
〔和字大観鈔[下]〕
〔地名字音転用例〕
※五十音図
〔古史本辞経[四]〕
〔於乎軽重義[上]〕
〔袖中抄[十]〕
〔さゝめごと[上]〕
〔和字正濫鈔[五]〕
〔通略延約辨〕
〔五十音辨誤〕
〔琴後集[十三書牘]〕
※雑載
〔言継卿記〕*