国語史資料の連関

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2005-01-08

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片仮字

さて音圖阿行に於を屬たる。又竪行?の、再の位荷、又横行?の次第などの、中昔の書に見えて、今と差へるを、予【○伴信友】が見あたりたるを挙べし。まづ阿行に於を屬たるは、源順朝臣?あいうえおを一音づゝ、初と終の句の上におきてよめる歌五首あり、また天文丙午冩本の和名抄に、一本巻首云とて。五十音を書入たるにも、阿伊烏衣於、また和爲有恵遠と書き【こは順朝臣草本などに記されたるにか、又後人の書入たるにか詳ならず】又管絃音義【文治元年の作】にも、阿伊宇衣於と書き、釋日本紀にも、阿伊宇江於之五音相通?といへり【於は必阿行に屬ぺき由、既に鈴屋翁字音仮字用格に論定られたるがごとくにてうごきなし、但し件の證件ある事をぱ、いまだ心づかれすして、然考定られたるが、おのづから古法に符合(カナヒ)たるにていとめでたし、○中略】

また竪行の音の位置の異なるは顕昭法橋の古今集?【文治元年著】袖中抄等に、五音相通?の事をカケコクキの五音、ラレロルリの五音と云へる詞あり。但しカケコクキと云へるかたは、藤原教長卿の説の言としてもいヘリ、教長卿?は。補任?を案るに、久壽三年四十八歳と見えたれば、顕昭の世ざかりに、老人にてぞおはしけむ。さて此定にて讀ときは、阿行アエオウイなり、此餘も推て知るぺし。

さて古よリ傳れる楽家の譜に、ア行タ行ハ行ラ行の音を用ひて。イエアオウ。チテタトツ。ヒヘハホフ、リレラロルと定めて、物音の砥昂に配たるは、五音軽重に随ひて、樂家の私に立たるにか、又五十連音みな其定に立たりしにもらやあらむ、但し上に挙たる管絃音義なるとは乖へり、】




古事類苑 文学部二音韻 五十音