2004-05-10 2004-05-10 ■ 尖端新尖の語(石井研堂・明治事物起原) 「尖端を行く」といふ言葉が、今日(昭和五、六年頃)大流行にて、日々の新聞紙上には、必ず一、二ケ所に、この一句を見るほどの勢ひなり。 この尖端と同意義の新尖といふ新語——あるいは旧語かも知れない——が、嘉永五年壬子の序ある『近世名家書画談』第三篇坤の巻に、「応挙は然らず、専ら、自己の新尖を出して、時流を嚇かす」云々とあり、古法に拘束されざる最新歩、あるいは新奇の意を表出するには、新尖あるいは尖端の語、最適切なり。ツイートする